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【聖徳大学 礼法基礎講座】
聖徳学園短期大学(現・聖徳大学短期大学部)は、1965年(昭和40年)、ここ松戸の地に創設され、以来一貫して女子教育を行ってきました。その後、1990年(平成2年)に聖徳大学が開設されました。人と人との関わりあいのなかで、自立した魅力ある女性になるために、専門的な技能はもちろんのこと、思いやりの心を大切にする「和」の精神を軸とした人間教育を行っています。なかでも、注目されているのが全学科の共通科目として設置されている『礼法基礎講座』です。人が生活を送る上で最も基本的な礼儀・作法とその心を学ぶ事ができます。
いったい『礼法基礎講座』とは、どんな授業なのでしょうか? 夏休み前の授業の様子を取材しました。
大学4年生全員が学ぶことができるこの講座は、小笠原礼法師範の前野洋子先生が担当しています。前期後期の授業を通じて、正しい姿勢・お辞儀の仕方から始まり、和室での正しい歩き方、扇子の扱い方、襖の開け閉めなどの和の作法や、社会で役に立つ実践的なマナー(食事のマナー、敬語の使い方、電話の応対の仕方)を学びます。
礼法基礎講座の授業風景
授業は、美しいお辞儀からはじまります。
礼には立っておこなう立礼(りつれい)と座っておこなう座礼とがあります。こうした動作は、ことばを発しなくても他者の存在を認め、大切に思う気持ちを相手に伝えることができます。
「…息を吸いながら上体を傾け、動きが止まったところで息を吐き、再び息を吸いながら上体を起こします。… 」
これは『礼三息』といい、「お辞儀をするときには呼吸が大切」とする教えです。美しいお辞儀とはこのような呼吸と、そして何よりもお辞儀をする相手への気持ちが大切と先生は学生たちに教えます。
にぎやかだった教室も、先生の挨拶とともに静かな空間に変わります。
今回取材した授業では、小笠原流に古くから伝わる「ひも結び」に取り組んでいました。神社の神殿にまつられた儀式結びなどでも利用されている結び方で、それらの結びには、空間を清め、邪気を祓うという荘厳な意味が込められています。礼法の授業を通じて日本文化の奥深さをも学ぶ事ができます。
写真の結びは、上から「あわび結び」「入り形あげまき」「菊花結び」
丁寧に学生へ伝授する前野先生
前野先生は、授業中の学生の言葉遣いや立ち振る舞いまで細部にわたって気を配っています。そのため、授業に取り組む学生たちも、みな姿勢をただし、非常に熱心に受講していました。こうしたきめ細やかな指導が、聖徳らしい“和の心”をもつ女性の育成につながっているのでしょう。
学生の皆さんに礼法の効果を聞いてみると、「授業で習う作法は、就職活動の場面でも非常に役に立った」、「友達に食事の食べ方がきれいと言われて嬉しかった」、「電車の椅子に座るとき、きちんと足を揃えるようになった」など、確実にその成果を体感している様子でした。
大学には、礼法をより深く学びたいという学生の皆さんが集まった「礼法同好会」というサークルもあり、礼法が浸透している様子が伺えます。日本庭園を望む見晴らしのよい礼法室では、美しい作法を身につけた大和撫子たちがお稽古にいそしんでいました。学生時代から伝統的な作法を学ぶ機会があるというのは、たいへん恵まれた環境ですね。
礼法室で稽古する女子学生たち
聖徳大学生涯学習社会貢献センター(聖徳大学10号館)の聖徳大学オープン・アカデミー(SOA)では、一般の方を対象にした「礼法入門講座」を開講しています。関心のある方は下記へお問い合わせください。
『礼法入門講座』のお問い合わせ先 聖徳大学生涯学習課 047-365-3601(直通)